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11月15日 視察2日目

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左上 フエリーにて宮島へ大鳥居      右上 危険地域 
左下 渓流保全工               右下 事業プレート
 11月15日視察2日目は世界遺産でも有名な厳島神社の有る宮島へフエリーで渡り、最初に昭和20年の枕崎台風による紅葉谷川の土砂災害からの復旧工事の視察を行いました。
 宮島は全島、花崗岩で成り立っており、災害に縁の深い神の島で在り、古文書によると、約200年おきに3回の大水害が有ったと記録されているそうです。
 昭和20年当時の記録では「紅葉谷川は、弥山(標高530m)の7合目から山津波を起こし、白糸川は弥山登山口から崩壊し、濁流と化した土砂は神社西方裏手に押し寄せ、天神社・長橋・揚水橋及び平舞台並びに廻廊の一部を流出するとともに、神社の床下は18000㎥余りにも及ぶ土砂にて埋没した」とあるそうです。
 復旧工事に際しては史跡名勝にふさわしい工事をしなければならないことと、同時に治水砂防上適切に処理しなければならないため、国・県や有識者等による委員会が構成され、庭園風の渓流工事とすることとして「岩石公園築造趣意書」が作られ、①巨石・大小の石材は絶対に傷つけず、又割らない。野面のまま使用する。②樹木は切らない。③コンクリートの面は眼に触れないように野面石で包む。④石材は他地方より運び入れない。現地に有るものを使用する。⑤庭園師に仕事をしてもらう。いわゆる石屋さんもノミとハンマーは使用しないとの方針で作業が行われました。
 現地は正に自然のままと言う趣で復旧がされており、言われないと分かりません。

 続いて平成17年9月の台風14号の影響による最大1時間当たり雨量33mm、最大24時間降雨量200mmの為、白糸川上流の山腹が崩壊し土石流が発生し、その土石流が既存の砂防堰堤を乗り越え下流の市街地に氾濫し、人的・家屋・文化財や公共施設被害(砂防堰堤破損2基、渓流保全工埋没約200m)などに多大な被害をもたらしました。
 大聖院脇を通り上流の2号砂防堰堤と渓流保全工現場迄行きましたが、2号堰堤は中流域及び下流域に退席した不安定土砂を捕捉する為に、市街地に近い渓流下部に設置されており、周辺地形の会編を極力少なくする為、既存砂防堰堤の有る地点に計画し、堰堤下流から白糸の滝が見える高さとする等の工夫が行われていました。